2012年 11月 04日 ( 1 )

田中文科大臣の不認可は妥当か?

田中眞紀子文部科学大臣が、大学設置・学校法人審議会の答申を覆し、来春開校予定の3大学の設置申請を不認可にしたことで、ほとんどのマスコミが、例えば、産経のように、否定的な見解を述べている

果たしてそうだろうか?

大体、日本のマスコミは、僕もやられ続けてきたけど、過程の適否と決定内容の是非を混同する嫌いがある。今回は良い教科書で、まず、過程(手続)に関しては、何の問題も無い。大学設置・学校法人審議会の答申に関しては、言葉どおり、答申であって、最終的には大臣の広範な決定権限を覆すものでは無く、単純に言えば、単なる参考意見に過ぎない。それだけ、大臣の決定は重いということ。

僕も、4年前の市民病院の民間委譲に関しては、答申を求めた行革審議会から、私の民営化の意向と真っ向から反対の見解が出てきた。僕はもちろん、参考にするが、結果的には反故。それは、決定とそれに基づく実行に関しての実質的な決定権は、首長が有する。これは当たり前で、もし、民営化が失敗した場合の責任は行革審議会はとれない。取れるのはただ1人、首長のみ。だからこそ、首長には広範な実質的決定権限が与えられているのです(ここで実質的と書いたのは、議会が強大な権限、すなわち、議決権を持っていることに配慮して。)。

それを、産経はまったく分かっていない。もし、審議会どおりにやっていれば、それはそれで、隠れ蓑とかいろいろ言うくせにね。重ねて田中大臣の決定までに関するプロセスは何ら違法性は無い。ここで、自民党もワーワー言っているようだけど、お門違い。
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一方で、決定の内容について見てみると、学校側の思いについて、感情的にはよく分かるが、それとて、責任は形式的には文部科学省に帰属する。それがルールですね。しかし、ここが難しいのは、例えば、地方自治体の場合、大統領制なので、CCC×新図書館構想、市民病院の民間委譲問題であっても、次の選挙でその賛否を問うことができる。

しかし、今回の場合、その実質的な責任の取りようっていうのが無いんだな、これが。大臣は別に国民が選んでいるわけでもないし、総理も、国会議員が選んでいるに過ぎない。良い悪いは別にして、この決定が間違っているにしても、責任の取りようがないのが実情。今回の場合は、文部科学省も責任の取りようがない。

その中で、片山元鳥取県知事・総務大臣が、訴訟になったら、文部科学省が負けるって言っているけど、手続に瑕疵(問題)が無く、さらに、決定の内容について、責任の取りようがない状態で、どうやって勝ち負けが言えるんだろうか。この人、大丈夫か。

ま、いろいろ考えさせる田中大臣の決定劇だけど、現時点では、問題の無い決定だと思います。ただ、関係する学生さんは可哀想。大人に、振り回されているだからね。
by fromhotelhibiscus | 2012-11-04 23:15