予算案の記者会見

今日のメインは、平成21年度の予算案等の記者会見。予算の説明をしたいと思います。今日は今まで一番長くなるかも。


昨年後半から急激に悪化した経済状況に対応するため、国において緊急経済対策が発表されたところですが、武雄市でも、国の対策を受け、通常の予算に加え、地域経済の浮揚と雇用の拡大を図るため、新年度予算(約1億7000万円)と本年度補正予算(約3億9000万円)で対応することとしました。

一方で、昨年11月と12月の市報で皆さんにお知らせしましたように、武雄市の財政状況は、市税や地方交付税など主要財源の減少(H20年度→25年度比較で4%減)と、福祉や健康などに必要な扶助費、特別会計への繰出金や公債費の増加(H20年度→25年度比較で9%増)により、収支不足が見込まれ、大変厳しい状況にあります。

また、財政の健康状態を示す財政指標では、新年度予算段階では、財政健全化計画の22年度目標値、経常収支比率90%以下、実質公債費比率15%以下の達成は難しい状況です。
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今回の予算案は、行財政改革はいったん脇に置いて、後で書きますが、必要な事業に十分な予算を振り向けることを決断しました。また、これまで以上に、限られた財源の中で効果的に事業を展開するために、市民の皆さんのために真に必要な事業なのかどうかを念頭に置き、予算の編成作業に臨みました。

事業に関しては、「あれもこれも」は不可能で、「あれかこれか」の選択になっていきます。事業の選択に当たっては、限られた財源の中、少ない投資で、いかにして、効果をあげるかがポイントだと思います。多額の費用をかけて行うことは簡単です。財政状況が厳しいからこそ、多くの費用をかけないで、財源にメリハリをつけて、いかにして、事業を選択していくかが大切です。

このような中、今回の予算案を作成できたのは財政課を始め職員皆さんの理解や頑張りによるところが大きい。メリハリをつけ最終的に絞り込んだ形で予算編成に臨んでくれました。感謝しています。
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新年度予算の規模は、約185億6000万円で、本年度(20年度)と比較して額で約10億円の減、率で5.2%の減になりました。これは、税収減に加えて、西川登小学校改築事業費の減などによるものです。

主な事業は次のとおりです。

・乳幼児医療費助成の対象者を就学前まで拡大(総額9500万円うち拡大分3500万円)
・妊婦健診の無料化を年5回から14回に拡大(総額4200万円うち拡大分2700万円)
・いのしし被害の防止(800万円)といのしし肉の特産化(300万円)
・レモングラスを活用した「いのしし」忌避材の研究(10万円)
・ごみ減量化に取り組む組織に対する補助(60万円)
・定住特区補助金(550万円)、協働まちづくり地域交付金(3000万円)
・防災行政無線の整備(2億円)
・主要市道整備(1億6000万円)
・市道の維持補修(1億8000万円)


・また、市民病院の売却額は、時価価額である3億9300万円。その際に、民間譲渡に当たっての清算金は12億円になります。この清算に当たっては、極力一般会計に影響を与えないように、基金の取り崩しを含む返済計画や枠組みを作りたいと思っています。

・特に、今回の武雄市の新年度予算の重点事業としては、「いのしし関連事業」と「子育て支援」を充実することにしていますが、これらの事業の選択も、上記の考え方に沿ったものです。

・被害対策が喫緊の課題である「いのしし関連事業」では、いのしし対策費として、その駆除を行う団体に対し、市の負担金を20年度350万円から800万円に約2倍強、増額します。駆除を行う団体が、市からの負担金増を活用し、国の補助事業に取り組むことにより、総事業費では20年度750万円から3600万円となり約5倍となる予定です。「少ない投資で大きな効果」の好例だと思います。
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・また、民営化のメリットです。市立保育所の民営化(6箇所→1箇所)により生じた財源(6700万円)を活用し、乳幼児医療費の助成対象を就学前までに拡大(拡大分必要額3500万円)するとともに、公立では、市内で1箇所になった市立武雄保育所の施設や給食設備(300万円増:20年度約300万円→21年度約600万円)の整備を行うことにしています。

このように、民営化を含む行財政改革により財源調達にメリハリをつけた結果、事業を充実することができました。

・予算編成に当たっては、経常収支比率、実質公債費比率、市債残高、基金残高などに意を配し、放漫財政にならないよう十分注意をし、次の世代にツケを残さないよう、事業の選択も慎重に行いました。

・本市の主な財政指標と市債、基金残高の見込みは、次のとおりです(20年度→21年度)。

  経常収支比率 94.5%→ 94.1%
  実質公債費比率 15.5%→ 15.1% 
  市債年度末残高(全会計) 417億円 → 404億円
     〃   (一般会計)  240億円→234億円
  基金残高 85億円→82億円


・最後になります。この予算案を議会に提案しますが、この予算がきっかけとなって、武雄の元気再生につながれば、という思いでいっぱいです

なお、このブログの文章を書くに当たっては、尊敬してやまない総務省の後輩の国定三条市長倉田箕面市長のブログを参考にしました。この場を借りてお礼を申し上げます。

予算案の概要は市のホームページに掲載しています。

  当初予算案の概要はこちら(pdf)。
  条例案等の概要はこちら(pdf)。


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by fromhotelhibiscus | 2009-02-24 22:18
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