旅する力

沢木耕太郎の最新刊。旅する力を読みました。
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僕にとって、バイブルの1つが、沢木耕太郎の深夜特急。特に、香港・マカオのところは、読んで2週間後に、香港の雑踏の中にいました(笑)。

この最新刊は、深夜特急というよりは沢木耕太郎の生い立ちのような本。したがってこの本は沢木耕太郎そのものに興味のある人向け。

僕のように、深夜特急に思い入れのある人には、やや肩透かしかも。それでも、ロンドンに到着した後の心境、旅立つ前の心境、26歳の旅立ち論は面白かった。相変わらず装丁もお見事。

また、ソクラテスは哲学を通じて、沢木は旅を通じて「分からないことが分かっただけ」というフレーズは、今思えば、20代前半の僕を虜にしていました。あの頃は、分からないことで諦め、今は、少しでも分かろうとするところが大きく違いますが。

20代には20代の、30代には30代の、60代の60代の旅があるというのがこの頃、少しだけ分かってきたような。しみじみとした本でした。
by fromhotelhibiscus | 2009-01-20 23:59
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