歩く現場主義

市長を辞任してもうすぐ一か月。

私を取り巻く環境はもちろん激変。

霞が関の官僚時代も、出向した沖縄、高槻時代でも、とにかく、現場を見て歩いて語り合うというのが、僕のスタンスでした。

市長時代は、現場主義は心がけていたものの、それでも、決裁やレク、議会対応などで、役所を離れることはなかなか出来なかったのですが、それが、一変。

この一介の素浪人。3年前の選挙戦の時よりもはるかに歩いています。そこで、率直に感じたのは、市民の皆さんの市民病院問題の占める比率があまり高くないこと。

それよりも、商売で年末を越せるかどうか、いのししの被害はどうするか、農産品の価格低迷をどうするか、中山間地の疲弊はどうするか、山林の荒廃をどうするか、経済の活性化をどうするか、雇用の確保はどうするか、というものが多いです。

歩いていると、多くの市民の皆さんが直接お話をぶつけていただきます。そして、現場を見る必要があるときは、現場を一緒に見に行っています。

問題の多くは、スピード感を持って対応しなくては、ダメだということを痛感しています。そして、市長という職を離れて改めて分かったのは、市長の仕事の90パーセントは決断であること。実行に際して強力な思いが無いと上手くいかない。そして、決断と実行を支える超人的な体力・精神力・気力。

体が丈夫な僕でも、夕方に息が上がる時がままあるくらいでした。霞が関時代も特に内閣官房で省庁再編にかかわっていた時は睡眠時間3時間が半年くらい続きました(もちろん、土日もお仕事)が、その時よりもしんどい。

また、称賛よりも批判のほうがはるかに多い。しかし、それを考えてみても、市長という仕事は本当にやりがいがあります。

市長に民意でカムバックした際には、多くの問題課題がのしかかってきますが、今回の市民病院問題のように、先送りせずに、話をしていただいた皆さんとともに乗り切っていかなければなりません。

自分の足で、歩き、そして、困っておられる方の話を聞く大切さを思います。
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by fromhotelhibiscus | 2008-12-16 23:59
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