幕末維新と佐賀藩

だんだん、書評ブログになりつつありますが、10月の終わりから篤姫展を武雄で行うので、関係の本を読んでいます。

その中で、これは!というのが、この本、幕末維新と佐賀藩。中公新書の最新刊。


僕が霞が関に席を置いていたころ、

先輩:君はどこの出身か?

僕:佐賀です。

先輩:では、江藤新平公だな。



この世界では、江藤新平公は神のような存在。人権の父であり、近代司法や文部省の生みの親だからです。

それはそれとして、石井元武雄市長の祖父である石井良一氏の「武雄史」が参考文献に。

西洋砲術の分野では、佐賀藩は抜きんでてすごかったのですが、その中でも武雄領主の鍋島茂義公はさらに先を走っていたのは、残念ながら、あまり知られていません。

長崎との太い交流を背景にして、科学技術と西洋科学が武雄で息づいていました。そういう話も入っています。


やや江藤新平公に甘いなぁって感じますが、鍋島藩と今話題の薩摩藩との交流、この本のもう一人の主人公の名君・鍋島直正公と岩倉具視公との補完関係、いろいろ勉強になりました。

中公新書の歴史ものにしては珍しくメリハリの利いたストーリー仕立てだったので、面白かったです。

しかし、この本の帯、‟「薩長土肥」の雄藩の中では最も軽視される”には吹き出してしまいました。
幕末維新と佐賀藩_d0047811_0161140.jpg

by fromhotelhibiscus | 2008-09-12 00:16
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