この文庫「動機」は儲けもの。著者の世評高い
クライマーズハイを読んでも、なんかくどいなぁって思っていたのですが、この本は短編の集まり。その中でも「動機」はやはり傑作。警察手帳の大量紛失の背後に息が詰まります。
「逆転の夏」は作りこんでいるきらいはあるものの、現実感がそれを覆い隠し、これも逸品。地方新聞の女性記者の話、裁判官の話、それぞれ、なかなかでした。
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短編集はあまり読みませんが、大学時代、そのラストに衝撃を受けたサマーセットモームの短編集「
雨・赤毛」と同じで、横山さんの作品は98%で寸止め。残りの2%は読者にゆだねるスタイルで、好感を持ちました。そして、久しぶりに時間を忘れてのめりこんだ本でした。
たまたま本屋で、見つけた本。がばい良かった。