ローマ人の物語

今、離れ小島に流されたら、どういう本を持っていくか、と問われたら、僕は真っ先に「ローマ人の物語」を持っていくと思います。今日、読了したのは14巻目。やっとこさ読み終わりました。
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この巻は「ローマ帝国はついにキリスト教に乗っ取られた――帝国繁栄の基礎だった「寛容の精神」は消え、キリスト教が国教化する。それはいかにして実現したのか。 」というものですが、面白い。ドキドキワクワクします。


特に、古代ローマ精神の最後の砦・シンクマスと新興キリスト教の旗手・司教アンブロシウスのそれぞれローマ皇帝に綴った書簡全部が紹介されていましたが、この論戦はそれこそ、手に汗を握るものでした。

著者の塩野七生さんはこの論戦を「微苦笑する」との表現で書いてありましたが、僕は、生死を分かつよりも重いものだと思いました。

言葉一つでこれだけのことができる。論戦、ひいてはまさに政治そのものだと感じました。


この出来事は今から1621年前のことです。人間ってこの論戦ができるほど進歩したんだろうかというため息と、僕も両者のように(までとは絶対いきませんが)分かりやすく、親しみやすく、自分の考えを出していきます。

ちなみにこの世紀の大論戦を機に一気にキリスト教がローマ帝国を浸透することになりました。
by fromhotelhibiscus | 2006-02-23 23:59
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