佐渡裕に痺れた、ライブは最高だ!

今日は佐賀市文化会館で行われた佐渡裕指揮の兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)演奏に出かけてきました。もちろん、メディアで度々見る佐渡裕さんということもあり、大ホールが満員御礼。僕自身、最近はピアニストの辻井信行さんとの競演CDを聴いていましたが、イマイチピンと来ず。粗いというか何というか。また、PACに関しても失礼ながらどれくらいの実力が知らず。

まず、最初から驚きました。何と、舞台袖から真ん中に、1人でふらりと現れた佐渡さんが、PACの説明から、今日の演目の解説。この解説はお見事。また、思った以上に身長が高い。僕(185センチ)より高いんじゃないか。

最初のグリンカ : 歌劇 「ルスランとリュドミラ」 序曲、激しい起伏に富む演奏。数分過ぎたところで、弦のパートが完全に佐渡さんの起伏の大きいタクトに感応している。そして、ラフマニノフ : ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 op. 18は、23歳のドミトリー・メイボローダの繊細で透明感溢れるピアノと息が詰まる競合。が、しかし、あまりにも、佐渡タクトは「明るく・分厚く・楽しく」オケを鳴らすので、かなり違和感。まるで、モーツァルトとベートーベンのブレンドを聴いているみたいだったけど、面白く聴きました。

白眉は、チャイコフスキー : 交響曲 第6番 ロ短調 op. 74 「悲愴」。僕はこの曲はCDで誰のを聴いてもピンと来なかったんですが、初めて、佐渡さんの指揮で意味が分かった。スケールがとてつもなく大きい。そのスケールのでかさかが残念ながらCDに収まり切れずに、今までの佐渡さんのCDは欲求不満だったんですね。

最後、愉悦の天に昇る勢いの第3楽章のラストから急降下して第4楽章の奈落の底に滑り落ちる、その時、思わず涙が止まらず。チャイコフスキーの苦悩が偲ばれて。この曲を自ら初演した後、わずか6日後命を落としてしまう(一節では自殺だと言われています。)。佐渡さん、第3楽章、跳ねる、飛ぶ。靴音まで、客席に。そして、第4楽章のラスト、チェロで締められたんですが、そのピアニッシモがいつまでも続く。このホールの残響の良さにも感動。

一発で佐野さん、そして、PACのファンになりました。この楽団は、最長3年間しか在籍できないそうで、若き演奏家の登竜門になっているとのことですが、僕から見ると、本当に楽しく演奏されていました。どこかの日本一と自他共に称するやる気のない楽団とは大違い。

ライブは最高です。また、聴きに行こうっと。
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by fromhotelhibiscus | 2014-04-19 22:41
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