【書評】商店街再生の罠:売りたいモノから、顧客がしたいコトへ (ちくま新書)

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商店街再生の罠:売りたいモノから、顧客がしたいコトへ

久繁 哲之介さんの新刊本。

「大型店に客を奪われた」というのは、幻想である。商店街衰退の本当の理由は、「成功例」を模倣する公務員と、意欲の低い商店主にあった。レトロ商店街、キャラクター商店街、B級グルメ商店街、シェア起業、スローフード、民間図書館など数々の事例から、商店街衰退を引き起こす「罠」を見つけ出し、再生へのヒントを提示する。

てな本。不肖私のことも少しだけ出てきます。基本的には、前書の地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書) とセットになるんだけど、こっちには、武雄市の取組が大々的に書かれていました。

が、僕は、今回の本が面白い。明るい毒舌がたまらん。この手の本は、事例を並べて、可もなく不可もなくてな感じが多いんだけど、久繁さん、巷間成功例と言われている豊後高田市のレトロ商店街、日田市の豆田町商店街、B1グランプリの富士宮焼きそば・・を滅多切り。僕とは見解が異なることもままあるけど、久繁さんの視点で見れば、確かにって思うところも多々ある。久繁さんとの一番の違いは、僕は、上記の取組は、もし、何もしなかったら(全国の自治体はこれが実に多い。)、もっとひどい状況になっていただろうっていうところ。

しかし、まちづくり、問題提起としては、抜群に面白いし、議論の良きたたき台になる。お薦めです。


閑話休題。僕は面や線としての商店街再生は基本的に無理だと思う。補助金ぶち込んでみても、鹿児島や大分で実際見てきたけど、無理。人間の体と一緒で、老化したものをカンフル剤打って30年若返らせるというのは無理なもの。しかし、商店街そのものを住宅、あるいは、点として頑張ってもらって、それを上手く後押しし、点を線につなげていくのはありだと思っています。

武雄市では、松原通りという老朽化した通りがありましたが、まず、歩きやすくするために歩道をしっかりつくり、その上で、煉瓦調のクラシックな景観、緑を多用するという方針で臨んでいますが、三歩進んで二歩下がるという感じで進んでいます(苦笑)。個人の所有権が強い中では、なかなか難しいです。これ本音。

今後、まちづくりのエンジンとなっている図書館を中心に、いろんな施策を展開できればいいなって思っています。久繁さんの厳しいご意見、お待ちしています。
by fromhotelhibiscus | 2013-08-08 23:14
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