【書評】色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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やっとこさ、読み終わりました。村上春樹の最新刊「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」。読後、いろんなレビューを見ると賛否両論。本読みの知人友人なんかも賛否両論、真っ二つ。

エンディングはいつものように、?なんだけど、それでも、僕は読んで良かった。正直言って、小説としてはこの作品はダメだと思う。謎がナゾのままで放置されるし、一つ一つの挿話が全く関連されずに、閉じたり、開放されたり、どうなってるのって思うこともしばしば。

だから、非小説として読めばいいなって思いながら後半は読み進めましたが、最近の村上作品には珍しく、どんどん、ページをめくりたい、次の展開どうなるの?、最大の謎が一つ一つ解かれるあたりは、ミステリーの皮むきのよう。今回の村上作品は音楽で喩えると、ビートの効いたロックそのもの。

「世界の終わり」のような深さ、「ねじまき鳥」のようなねじれ感、「1Q84」のような圧迫感、なんかは、全然無い。あるのは、僕は良い意味で捉えたが、「軽さ」。これが賛否を分ける一つの要素になっているかもしれない。ま、400ページ弱と村上さんの作品の中では薄いし。

ともあれ、次の作品がまた楽しみです。ファンというのはありがたいものですね。
by fromhotelhibiscus | 2013-06-07 23:50
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