【書評】旅の窓

大好きな作家の一人、沢木耕太郎の最新刊「旅の窓」。雑誌「VISA」の見開きページに載せられた写真と随筆をまとめたもの。
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僕自身、20年前に、沢木耕太郎の「深夜特急」に魅せられて以来、ほとんどの作品を読破してきたけど、正直、最近は、初期のヒリヒリ感やとんがり感が無くなって、つまんなくなっていたことは事実。ただ、還暦過ぎた沢木さんに20代の調子で書け、というのは無理なもの。それはよく分かっているんですが、それでも、出会いが強烈すぎて、どうしても、氏の初期のノンフィクションにばっかり戻ってしまう。すみません、今の沢木さんを好きな人には暴言だと思いますが、お許しください。

しかし、今回の、最新刊は、沢木さんの文章としての円熟味と、写真が見事にブレンドしている。意地悪く言えば、40年前の沢木さんだったら、文章一本で、描けたはずなんですが、それでも、僕はこの最新刊は素晴らしいと思います。旅先の文章と何気ないその旅先の写真と。しかも、沢木さん、昔、写真はヘタ。が、努力されたんでしょうね、写真が何とも言えず素晴らしい。沢木さんの写真と分かるくらいに、凄くなっている。

本当に良き本でした。本との出会いは素晴らしい。来週は全国市長会でまた移動が多いので、しっかり本を読みます。
by fromhotelhibiscus | 2013-06-01 23:07
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