九州国立博物館で「古武雄展」始まります

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重要無形文化財保持者(人間国宝)の中島宏先生の執念がこの度、実りました。中島先生といえば、陶芸、取り分け、青磁における日本の第一人者であり、武雄市西川登町弓野に居と窯を構えられています。

明日(19日)から古武雄展が、あの九州国立博物館にて。古武雄(こ・だけお)と言ってもぴんとこないと思いますが、もともと、17世紀、武雄市は今以上に陶芸が盛んで、日本は勿論、アジアに主要な輸出品として取り扱われていました。佐賀には、有田、唐津、伊万里という世界的ブランドがあって、僕自身、二十数年前、ヨーロッパを貧乏旅行していたときに、在籍している大学の名前は殆ど知られなかった反面、出身が、有田や伊万里の「近く」と言うと、少なくとも、あるクラスの人たちからは、尊敬の念を持って、質問攻めされました(苦笑)。

しかし、当時も今も「武雄」と言ってもピンと来る人なんかいません。ましてや、焼き物では。しかし、見れば分かるんですが、有田、唐津、伊万里とは全く違う。文様から大きさから、武雄のものは、大らか、伸びやか、抽象的。今、見てもモダンそのもの。

今日は九国で記者会見。作品を出品される中島先生、三輪館長とともに会見に臨みましたが、びっくりしたのは、テレビカメラの数。明日以降、特に福岡を中心として流れると思いますが、一定の注目度を感じました。

中島先生が、「今は古武雄と称しているが、そのうち、常滑や萩、有田などと同じく、武雄と呼ばれる日が来ると確信している。」とお話しされていました。

武雄市内の小学生は、見学ツアーを組みます。郷土の偉人、もしくは、偉品を見せることが、第一級の教育になるから。明日から、ぜひ、九国へお越しください。
by fromhotelhibiscus | 2013-03-18 23:29
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