【書評】舟を編む

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帯にでかでかと、「本屋大賞 第一位!!」と。ご多分に漏れず、本屋の店員さんが推薦する賞だし、割とレビューも高いので、購入。舟を編む、こんな本です。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか──。言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを謳いあげる三浦しをんの最新長編小説。



まず、光が当たらない国語辞書の編集作業というのが良いんだけど、それだけかな。構成も人物の造形も甘いし、何より辛かったのは、全体が軽い、というもの。このページ数で書くのならば、複数の人物に光を当てるのでは無く、主人公のマジメだけに絞った方が良かったと思う。それと、話の筋は書きませんが、前半のどうでも良い部分を思い切りカットして、後半の切羽詰まる部分をもっと丁寧に書いた方が良かったのでは。

では、おすすめじゃないかと言わればさにあらず。ライトノベルとしてはかなり面白い。さくさく読める。読んだ後、辞書を手に取ろうと思わせるのは確か。のぼるとあがるの違いなど、さりげなく、うんちくも。並行して、原田マハの「楽園のカンヴァス」を読んでいますが、こちらはまたスリリングですね。
by fromhotelhibiscus | 2012-07-06 23:43
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