震災瓦礫対応への風向きが変わってきた

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ドイツの大社会学者であるマックス・ウェーバーは、「政治とは,情熱と判断力の二つを駆使しながら,固い. 岩に力を込めてじわじわっと穴をくりぬいていく 」と語っています。橋下大阪市長もこのフレーズをよく使われますが、僕も困難に直面した時にこの言葉を思い出します。

特に、江原/平野共産党市議が記者会見までしゃしゃり出た21億円の住民訴訟まで及んでいる武雄市民病院の民間移譲問題のときはまさにそうでした。そして、昨年末に、先送りした(佐賀新聞社さん、断念はしていませんよ。)震災瓦礫の受入問題もそう。当時の思いはこちらにまとめています

武雄市内も無かった訳じゃありませんが、それよりも、市外、県外の震災瓦礫受入大反対は凄かった。脅迫、不買運動何でもあり。今日、某新聞社が、僕の特集をするということで、いろんな話をこっちが聞きましたが、「武雄市への反対が全国で一番凄かった」というコメントも(苦笑)。これは僕の不徳のいたすところです。

絆、絆ってみんな言いますが、何で、自分たちが出す同じゴミ(放射線等が含まれない)と同じ震災瓦礫を引き受けようと、それも、広く薄く(実際は別にして。すなわち、被災地に近いほど引き取り量は増えざるを得ない。)、負担、分かち合おうとすることを拒否するんだろう。単純な僕はそこが分からない。

ただ、反対されている皆さんの不安な気持ちも良く分かる。僕も放射線は怖い。改めて書きますが、なぜ、こんなことになったのか、というと、国の責任です。国の説明不足が一番。それとそれよりも罪深いのは、瓦礫の広域処理の法的スキームが無い。これに尽きます。昨日は、議会冒頭の演告で震災瓦礫の件については、こんな話をアドリブでしました。

震災瓦礫の受け入れにつきましては、昨年先送りの方針を示したところであります。やっと国が動いて参りました。ただまだダメですね。例えば、細野環境大臣が仰ったこと。これは、例えば、説明会に要する費用を国が持つ。こんなのちゃんちゃらおかしいですね。国がなすべきことは、(1)広域処理の法律をきちんと作ること。そして、(2)皆さんが不安に思っている基準を国際的基準に照らし合わせて、それを法律に書きこむこと。そして、(3)これは地域主権の話とは逆の話でありますが、国が明確な基準を持って、(4)地方自治体にきちんと法律の名のもとに協力を呼びかけること。そして、これを全体計画として我々を縛る計画を作ること。以上、四点申し上げましたけれども、これが国の役割であります。

幸いにして、民主党の幹部、私は幹部の方と非公式にお会いしました。お会いした方は、非常によく動いておられます。ま、民主党もいろんな人がいるもんだと、いうことを思った次第ではありますが、この我々の地方自治体の長の働きかけによって、ようやく国が動き、総理が動くようになったことについては、一定の評価をしたいと思っております。

その中で、ぜひこれは県にお願いがあります。これは、一基礎自治体が手を上げて、なすべき話ではありません。国、県が一体となって私たちは、これぐらいの量のものが捌けます、ということは、ちゃんと数字を出しておりますので、それに応じて国、県が我々基礎自治体にきちんとお願いをする、こういうスキームが必要ではないかと考えている次第であります。これについては、また一般質問等で皆様方と論戦を深めていければありがたいと思っております。


全文はこちらです


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開始2分のところで、震災瓦礫について、自分の所見を述べています。


長くなりましたが、もう少しお付き合いください。この中で、僕は県にお願いをしたんですが、今日、古川佐賀県知事が県議会で、「広域処理の法制化について国に働きかける」という答弁をした、とニュースで見ました。お昼のNHKニュース(佐賀)では、お役所そのまんまの本部長が、「県民感情から受け入れられない」と答弁をして、僕は激怒していましたが、午後、古川知事が、軌道修正してくれたようです。さすがです。

総理が動き、政府が、そして、県が動く。とにかく、しつこく言い続けた甲斐がありました。ようやく動きます。これで動かなければ、東北の皆さんが孤立します。可哀想です。

何度も言います。何度も行って痛感していますが、震災瓦礫が被災地の復旧復興の最大の妨げです。今、絆という意味が試されています。その前提として、放射線等を含まない瓦礫の広域処理について、日本全体で、負担しましょう、分かち合おうって言っているのです。ぜひ、ご理解とご協力をお願いしたい。
by fromhotelhibiscus | 2012-03-07 23:41
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