大震災の後、官僚はどう動いたのか

d0047811_17352469.jpg

3.11の大震災の後、被災を受けた方々、そして、被災自治体、被災企業、被災団体、被災県、政府、マスコミそして、私たちのような非被災地、非被災自治体など、どのようにもがき、動いたのか、9か月以上経ってようやく、それぞれがどう動いてきたのか、冷静に振り返る動きがでています。

もちろん、被災地においては、厳しい寒さの中、家族や友人、知人を失われた悲しみの中で、復旧復興に向けて頑張っておられる最中です。その中で、3.11以降の「過去」を振り返ることはとても大切なことと思うのです。というのも、これから復旧から復興へ舵を切る中、この検証も1つの土台になると思うのです。


その中でも分かりにくかったのは、というより、全く表に出ていなかったのが、政府部内の動き。マスコミは総理や官邸など表舞台、政局のドタバタは描きますが、本来地味な行政、すなわち、政府部内の動き、官僚の動向についてはほとんど報じられません。

その中で、現職官僚のレポート。実務を取り仕切る課長級のレポートが出ました。現在進行中でこんな検証が出るのも今までなかったし、特筆すべきは、難解で鳴る霞が関文学ではなく、分かりやすい日本語で記載されていること。また、感情の浮き沈みが現れる、驚くべきコンテンツとなってます。

既に、このレポート、僕の研究者仲間の間では、話題になっていて、誰が書いたんだろうって思ったら、総務省の課長を務めておられる山下哲夫さん。やっぱり。

山下さんは、よくテレビで仕分けの蓮舫さんの後ろにいた官僚さんです。その山下さん、一度、武雄にお越しになった際、ブログにも書きましたが、内閣官房の中央省庁等改革推進本部事務局で、驚愕する事務量を天才的な指揮で僕ら「駒」を動かされていました。今、僕が自信を持って仕事ができるもの、山下課長に鍛えて頂いたからに他なりません。

話が飛びました。アホな政権与党、そして、もっとデタラメな総理の下で、「被災者生活支援」に関しては、よく実務がまわっていると思ってみてたんですが、山下さんのような良心的な官僚の皆さんが徹底的に仕事をされていたんだなって、僕も勘違いしていた部分、そして、やっぱり、この動きはおかしいって思うこともありますが、僕らがその検証ができるのも、こういうレポートが出てるからこそ。こんな書き出しで始まります。

東日本大震災の甚大な被害に直面した被災者の生活支援に政府を挙げて取り組むため、特別のチームが3月20日に発足し、各省から多くの職員が急遽集められた。筆者もその一人である。

 課題は山ほどある。解決は一筋縄ではいかない。災害ないし緊急事態対応という意味でも、筆者が本業とする行政管理という観点からも、貴重な勉強と経験の機会であった。これは今後のためにも記録を残しておかねばなるまいと思って、筆者なりの理解と考えに基づいて書きためてきたものが本稿である。文責は全て筆者にある。

 「Ⅰ.被災者生活支援チームの設置」は導入部である。チーム設置の経緯や体制について、Ⅱ以下の説明の前提となる最小限のことだけを述べる。
 「Ⅱ.被災者生活支援チームの活動経過」は本論の一つの柱として、チームが直面した課題ごとに活動の経過について解説する。単なる事実の記録にとどめず、なぜそれが課題であったのか、なぜその解決が難しかったのか、ということの解説に力点を置く。
 「Ⅲ.被災者生活支援チームの体制と運営」は本論のもう一つの柱として、チームの組織、人事、運営について解説する。これも単なる記録にとどめず、緊急時の組織運営のやり方についての一例を示すことが狙いである。

 記述の時点(データや氏名肩書)は、筆者が携わった7月22日までのものである。それ以降の出来事やデータについては、脚注に示した各種ホームページをご覧いただきたい。

 末尾ながら、東日本大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞いと応援を申し上げる。


この50ページ余のレポートは、「季刊行政管理研究」の12月号の中におさめられています。このレポートは、政府の皆さんもそうですが、自治体の皆さん、大学等の研究者の皆さんにもぜひ読んでほしいと思います。こちらから申し込みができます。武雄市では、1月4日(水)午後に市立図書館が仕事始めをしますが、その際に、閲覧できるようにしておきます。
by fromhotelhibiscus | 2011-12-25 17:40
<< なんとかします。なんとかします。 村上智彦という医師、そして、人間 >>