今日、私は断腸の思いで、市議会本会議において、震災瓦礫受入の提案の見送りについて表明しました。既に、Yahoo!のトップニュースになったりしていますので、ご存知の方も多いと思いますが、ぜひ、ちょっと長いのですが、私の表明をご覧いただければ幸いです。ほとんどノー原稿ですので、お見苦しいところがあると思いますが。ユーストはこちらです。24分54秒から、震災瓦礫の件です。
最後に、被災地のがれき受け入れに関して、御報告を申し上げます。私は、震災直後から被災地に10数回と及ぶ、何度も何度も足を運びました。5月11日には、牟田議長を含む「チーム武雄」の一員として、仙台の若林区で、実際にスコップを振るい、汚泥にまみれて作業をいたしました。また、多くの議員さんも含まれておりますが、チーム武雄として、建設業協会も含めて、120名になんなんとする皆さんたちが、実際に陸前高田市に伺われて、実際の災害ボランティアを行われました。私自身の経験、そして、多くの皆様方から、被災地に10m、20m積もったがれきが、被災地復興、復旧の大きな妨げになっているという声を切々と伺ったときに、私自身もそのように思うよと、いうことを申し上げました。 一方で、被災地の首長さんであるとか、あるいは、有数の地位を占める国会議員の方であるとか、本省の皆さんであるとか、様々な皆さんたちが、がれきを引き受けて欲しいということを、人間の気持ちとして、おっしゃってこられました。切実な国からの要請、地域からの要望、そういったときに私として、首長としてできることはなんだろうかと、皆さんに相談をし、自問自答をした中で、今回のがれき受け入れの提案に思い至ったわけであります。 こういう記事があります。ネットでも出ておりますけども、11月16日(水)、河北新報であります。これは、仙台を中心として東北のブロック紙であります。この中に、社説として「東日本大震災がれき広域処理/被災地の痛みを分かち合って」という文章があります。これを読んだ時に、涙が止まりませんでした。すべては紹介できませんが、「がれきの広域処理について、東京都が3日、東北地方の自治体以外で初めて震災がれき約30トンを受け入れ、本格的な広域処理が始まった。しかし、受け入れ先探しはそう簡単に進みそうにもない。放射性物質の拡散を懸念する住民が反対するケースが全国で相次ぎ、何色を示す自治体が増えてきたためだ。福島県内のがれきは県内で処理される。一方、宮城・岩手両県のがれきは放射性物質の影響は小さく、明らかに風評被害と言える。被災者の痛みを分かち合ってもらえないものか。偏見をなくし、こうした被災地支援の声をもっと挙げてもらえないだろうか。」と。 河北新報の社説、やっぱり被災地の皆さんたちも、同じ思いである。だけど、「チーム武雄」に行った、例えば上田議員と話したときに、東北の皆さんたちは、本当に自分たちの本心をなかなか言われない。思いを言われない。この震災が起きたのも、私たちのせいだと言う方々もいらっしゃいました。そういった中で、こういったことが、ブロック紙の社説に切々と載っているといったことを考えたときに、やはり私としては、がれき受け入れのことをぜひ、これは私一存では決められません。杵藤クリーンセンターは、武雄市の所管ではなくて、杵藤広域圏組合の所管であります。そういった中で、私としては、 12月6日、杵籐広域圏3市4町からなる首長会議に諮ろうという風に思って、これが一部報道が先行いたしましたけれども、私としてはそういう風に思っておりました。 先般のマスコミ各社の報道以来、私自身にはもちろん、市役所を始め、関係機関に関して1000件を超えるご意見・ご批判、多くはご批判・抗議、県外からでありますけども、殺到したところであります。もちろん、その中には、受け入れに際しての課題を具体的に指摘する本当に得難い意見がありました。例えば、国には任せられないと、もし受け入れをするのであれば、実際プロジェクトチームを作って、国・県・市それぞれきちんと放射線チェックし、選別をする。そういったことが必要だよということをおっしゃる鉄工会社の社長もいらっしゃいます。一方で、市民の中には、ほんとうに大丈夫なのかと。本当に、がれき、何もないんでしょうかと。そういった声を不安視する二児の小さいお子さんを持つお母さん。涙ながらに訴えられた皆さんもいらっしゃいました。また一方で、武雄市としてぜひ受け入れて欲しいと。これが私たちにできることなんだということで、泣きながら私に電話をかけた方もいらっしゃいます。いろんなご批判、ご意見はあっていいと思います。私は多聞第一であります。耳を澄ませます。 そういった中で、絶対に許しがたいことが昨日ありました。それは、1000件の電話やメッセージ等の中に、具体的に、脅迫を伴うものがあったということであります。例えば、こういったのがあったようです。「もし、お前たちが、がれきを引き受けるならば、その苦しみをお前たち職員に与えてやる。あるいは、武雄市が、市民が等しく楽しみにしているいろんなイベントをことごとく妨害する。あるいは、この時点で、九州・佐賀県・武雄市のものを買わない不買運動を呼びかけている輩もいます。 特に市民、職員、特に市民の皆様方に危害を及ぼすような予告が先ほどあったように、これは看過し得るものではありません。その一方で、「がれき=放射能」といった風評が蔓延しています。これが、がれき処理が進まない要因にもなっています。情け無いと思います。 私は、くりかえしブログやいろんなところで、今日も改めて申し上げますけれども、そういった放射能ゼロ、放射能に汚染されていないがれき、きちんと選別したものを持ってきたいということを言っているにも関わらず、「がれき=放射能」であるとか、そういったことをおっしゃいます。そういったことが、私は残念で仕方がありません。 そういった中で、繰り返し申し上げます。私自身は、今でもこれは、私たちが為すべき課題だと思っております。がれきの、放射能を含まない、放射能ゼロのがれきを引き受けるということは、同じ日本国民として、今困っておられる東北の皆さんたちに手を差し伸べる、私としてはやらなきゃいけない事業だと思っております。これを日本国中に私たちがきっかけとなって、このスキームが広がることを、その思いは、一個も変わっておりません。 しかし、こういった本当に予期せぬような事件・事故が仮にあったとするならば、そういった被害を受ける、あるいは受けた市民の皆様方、そしてそのご家族の皆様方、地域の皆様方はもちろんのこと、結果的にそういったことが起きた場合には、東北の復興に頑張っている人たちを傷つけることになるという思いに昨晩達したところであります。 そして、一晩、熟慮に熟慮を重ねて、そういった中で、今回の12月6日に開催をする、私のがれき受け入れに関する提案は、その3市4町からなる広域圏の会議に対し提案は行いません。 その中で、私とすれば、オールジャパンで、また、このがれきの処理に対して、東北を応援しようよという気運が、日本人だったら必ず、私はまた起ってくると思います。そういった温かい状況下において、再度、そういう状況が整う、条件が整ったときに、また、市民の皆様方、議会の皆様方とよく相談をした上で、提案をしていきたいと思っております。 私は、国に対して注文があります。こういった、未曽有の混乱を引き起こした責任は誰にあるんでしょうか。一番、国が為すべきことは、この課題というのはわかってたはずです。ですので、そういうがれきの処理、そういった廃棄物の処理は、地元で行なうっていうのは原理原則です。そこは私も分かっています。原理原則なんだけども、さっきの河北新報にもあったように、それを地元で引き受けるというのは、あの膨大ながれきの量から無理です。ですので、安全安心が確保されて、放射能ゼロのものに関して、日本国中が、やっぱり応援という意味を込めて、処理をするということを、国がリーダーシップをもって、我々を説き伏せるというような、地道な作業が無いからこういう風になるんです。 自治体にアンケートを寄越したりとか、そういった中で、前向きな議論をするにあたって、東京都、あるいは新潟県三条市、新潟市、あるいは三重県松阪市、いろんな話が起きてるそうです。そういったことも、国の施策のひずみが、民主党政権のひずみがここに出てきているという風に言わざるを得ません。しかし、私は批判だけはしません。 国に対して、ここでお願いがあります。ぜひ、本当に、皆さんが納得する、科学的な基準をぜひ立てて欲しい。そして、全省一丸となって、与党、これは野党もありません。一丸となって、オールジャパンで、日本をなんとかしようよ、東北をなんとかしようっていうのは、国会議員と政府の役割であります。私たちは協力できることはきちんと協力いたします。そういうリーダーシップの不在が、今回の、これは震災対応すべてに渡る話ですけれども、そういった混乱を引き起こしています。 私たちは、本当に応援する気持ちでいっぱいであります。これは、今回反対される方々も皆同じであります。ですので、これはぜひ我々の意を、この際、汲んで欲しいと、切に願う次第であります。 終わりになります。 これから東北は、ますます寒さが厳しくなります。陸前高田市に聞いたところ、もう朝は氷点下になっていると。仮設住宅、本当に寒くなってると。家族の人達とも別れ、そして仮設住宅ですので、周りに知らない人たちもたくさんいる。そういった中で、本当に報道が減っております。ともすれば、復旧・復興なってるんじゃないかという声も、武雄市民の中からでも聞こえます。しかし、まったくそうではありません。 どうか、東北の皆さん、東日本の皆さん、復旧復興に向けて、私はあなたたちの力を信じています。しかし、どうしても人間です。くじけそうになります。そういった中で、私たち全ての武雄市民は、本当に我がこと以上に皆さんたちを応援したい気持ちでいっぱいであります。私たちとすれば、今回がれき処理の提案はこのようなことになりましたけれども、さらに市民を挙げて応援、エールを贈りたいと、そのことを最後にお約束申し上げまして、私の演告とさせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。 ● 今、読み返してみても、これに足す言葉は一つもありません。救いになったのは、このコメントでした。激甚被災地の1つである宮城県名取市で瓦礫撤去にあたられている従事者の方です。 私は毎日震災で発生したがれき置き場でがれきの選別作業に従事しております。まずこの度は被災地のがれきの受け入れを表明していただきありがとうございます。結果的には撤回せざるを得ない状況になってしまったのは残念で仕方ありませんが、多くの武雄市民の皆様は、がれきの受け入れに同意いただいているものと信じておりますし、その気持ちに本当に感謝しております。私の従事している現場では、先日の放射性物質の測定結果でも国の基準値を下回っているという結果が出ておりますが、仮に国の基準が甘かったとしても実際は公表されている数値よりも高かったとしても、それを理由に現在の仕事を放棄するつもりもありませんし、他地域のご協力が得られないのであれば、何十年かかったとしても自分たちの手で自分たちの故郷の復興を成し遂げる心意気でやっております。今回の件では市長はじめ皆様のご尽力にも関わらず実現できませんでしたが、皆様のお気持ちとこれまでのご支援には本当に感謝しております。今後とも被災地の復興していく姿を見守っていただければと思います。長文乱文失礼致しました。 心から応援します。 ![]()
by fromhotelhibiscus
| 2011-12-01 22:52
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現在45歳。以前の勤務地は東京、大阪高槻、沖縄。
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