【書評にならない書評】テンペスト

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僕は、橋下さんのように、毀誉褒貶ある人が好きだし、本もそっちのほうが面白い可能性が高い。そういう意味では、この19世紀の琉球王朝を舞台にした「テンベスト」、NHKのドラマでも評判になったけど、ハードカバーで出たときは世の書評家は大絶賛。しかし、今では、下品とか下らんとかいろいろ言われて、やっと食指がのびました。

こんな話。

19世紀の琉球王朝。嵐吹く晩に生まれた真鶴は、厳しい父の命に従い、男として生まれ変わることを決心する。名を孫寧温と改め、13歳の若さで難関の科試を突破。憧れの首里城に上がった寧温は、評定所筆者として次次と王府の財政改革に着手する。しかし、王室に仕える男と女たちの激しい嫉妬と非難が寧温の前に立ちはだかる…。伏魔殿と化した王宮を懸命に生き抜く波瀾万丈の人生が、春の雷のごとく、いま幕を開けた。


主人公設定がぶっ飛んでいる。女性なのに宦官として王宮入り。ストーリーが分かるので書きませんが、ハチャメチャ。10月は出張が多かったので、移動中の合間に読んでたんですが、のめり込みましたね。僕も沖縄の文化や歴史は、大好きでいろんな本を読んだり、古老に話を聞いてたりしてたんですが、さすが、沖縄の歴史のキモになる部分は押さえてある。したがって、ストーリーが荒唐無稽手前のファンタジーとして生きている。そりゃ、人物描写など不満もいろいろあるけど、そんな不満はクソクラエとばかりに、ぐいぐい、読者をひっぱり回す。登場する龍のように。あっち行ったり、こっち下ったり、そりゃ凄いですよ。

最大の欠点は、その勢いが続かないこと。文庫1巻は最高です。この1巻でも読む価値があります。これから、池上作品読んでみようかな。
by fromhotelhibiscus | 2011-11-12 23:43
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