TPPには100%反対

国民的議論になってきたTPP、環太平洋戦略的経済連携協定は、僕は反対。

しかも、100パーセント反対。いろいろ理由はあるけど、小さいところから。1つはね、「環太平洋」、嘘でしょ。中国と韓国が入っていない。TPP参加交渉国、シンガポール、オーストラリア、いろいろあるけど、仮に日本がこのTPPに参加したとすると、アメリカと日本合計でGDPペースで91.3パーセントを占める。すなわち、他の国は、経済産業省の中野剛志が言うように、「ほとんど誤差に過ぎない」し、このTPPは、「日米のFTA」に他ならない。では、なぜ、アメリカが、二国間のFTAではなく、この多国間のTPPに固執するか、これは、いろんな理由がありますが、日本の市場をこじ開けようとするには、他の国の力を借りようとして、日本を多勢に無勢にすることに他ならない。霞が関時代に、規制緩和にかかわったことがありますが、アメリカの常套手段ですね。この TPPはアメリカの帝国主義、覇権主義に他ならない。こんなうさんくさいサークルに入らないからと言って、日本が世界の孤児になるという論調はおかしい。

次に、これは良く言われているけど、日本の農業が絶対にダメになる。しかし、農水省のデータは、自給率の予想を含め、自分の都合の良いように誘導するので、話半分で聞いてた方がいいんですが、さすがに、過去の数字は嘘をつかない。一例は、木材。これは、稲富正敏県議から教わったんですが、昭和30年国内自給率94.5%であったものがわずか15年で31.7%にまで急減、平成22年には26%まで落ち込んでいるのです。

関税を撤廃した背景はTPPとは異なるけど、昭和30年から段階的に関税が引き下げられ昭和39年に全廃、木材の輸入が全面自由化。外国産材は国産材と比べて安く、かつ大量に安定的に供給されたため輸入量は年々増大。円高の進行なども重なり、ついには林業経営そのものが成り立たなくなってしまったのです。間伐費用、搬出費用さえ回収できない経営環境に置かれた林業は衰退、収穫期を迎えた人工林でさえ放置されているのです。もうお分かりですよね。単なる林業崩壊だけなく、度重なる土石流被害、ひいては国土崩壊まで及んでいること。

農業が第二の林業になる、私はそう思います。

さらに、いくら関税をゼロにしたって、為替次第でどうにでもなる。現に、空前の円高で、特に競争相手の韓国ウォンに比べて円がかなり強くなっている。そもそも、誤解があるようですが、もう、日本の平均関税率って相当低いんですよね。EU、アメリカ並み。農業にいたっては、EUの半分、韓国の6分の1ですよ。これ以上、下げたら、それこそ、米麦大豆など日本の主要農産品は壊滅する。

そもそも、関税は悪いように言われるけど、この課税自主権を獲得するために、明治政府が散々苦労したんですね。ある意味、関税は国家だと、僕は大学時代習った。すなわち、関税がすべて一律、あるいは全廃となるとそれは国家としての意味は無くなる、そんな趣旨だったと思います。

しかも、先程書いたように、もう、十分低いんですね。これ以上下げても、円安に振れれば、関税を下げても何の意味もない。他にもいろいろ書きたいんですが、政策論としてはこの辺で。


これは誰も書かないし、言わないけど、政府民主党がしゃにむに、TPP参加をしようとするのは、僕はアメリカと何らかの裏取り引きがあると踏んでいる。というのも、僕が知る良心的な政治家、官僚はことごとくTPPには反対しています。昔、沖縄返還のときに、繊維輸出を自粛して、「糸で(沖)縄を買った。」と揶揄されましたが、こういう裏取り引きというのは、僕が知る限りでも小さな話でもあります。が、過去官僚の良心として書きません。金融、通貨、基地問題、何が取り引きの対象になったのか僕には分かりませんが、そのうち、歴史が証明するでしょう。
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しかし、民主党の国会議員は卑怯、ずるい。佐賀県選出で言えば、原口さんも大串さん、川崎さんもTPP反対と言いながら、「TPP交渉参加反対に関する国会請願の紹介議員」に入っていない。おかしいでしょ。

反対なら反対、賛成なら賛成。この期に及んで議論する必要がある、あるいは、自分には力がない、自分は総務委員長なので、紹介議員には入れないなど、言い訳にしか過ぎない。しかも、ブログには書かないし、ツイッターにも言い訳。

旗幟を鮮明にして、自分自身の見解を述べて行動するのが、政治家でしょ。特に与党の政治家や首長にはそれが求められる。話がそれましたが、この問題で、賛成にしろ、反対にしろ、政治家の真価が問われると思います。僕も自戒しながら発言し行動します。

(写真は文章の内容とは関係しません。)
by fromhotelhibiscus | 2011-10-28 20:16
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