「反」太陽光村構想

こんなメッセージが昨日、私のブログに。公開メッセージですので、お名前は本当かどうか分かりませんが、高橋さんという人です。僕の知る高橋さんはみんな良い人なんですが。では、高橋さんのメッセージです。

市長として構想を発表するなら、もう少しまともな案を練ったらどうですか?

この太陽光村構想は

(1)1軒当たり3枚程度のパネルでは電圧降下が著しく(推奨値の1.5倍)電気を無駄に浪費することとなる。

(2)全戸にパワーコンディショナーが必要となり、更に電力事業者の変圧器は設置可能なパワーコンディショナーの台数が限られているのでその分の設備投資が膨大となる。太陽光発電容量に対する台数で見ると必要な変圧器は最大で10倍近くになる。

(3)割高になるのを防ぐために集積地に太陽光パネルを設置するとあるが、風によるパネル下への巻き込み防止などを防ぐための基礎工事、家庭への連携のための配線工事、更に(2)で示した設備を考慮すると、太陽光村構想の方が著しく割高。結論から言うと、ド素人が思いつきで偉そうに無責任なことを語るのは止めた方がいいということ。

あなたのように責任ある立場の人が、こういうかなり適当なことを大真面目に語ると、実際に現場で取り組んでいる私たちが非常に迷惑を被るんです。

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いやあ、凄いですね。これだけできない理由を並べる人がいるとはね。しかも、「ド素人」という表現まで使って。であれば、対案を示さなきゃダメだと思うんですよね。こんなバカな大人がいるから、日本がまともな方向に向かない。一応、反論しておきます。

(1)高橋さんは、戸別に発電してはロスが大きいと言っておられるのだと思いますが、今でも各家庭は戸別に発電をしているわけで、実際パネル20数枚を屋根に載せているのですから、「太陽光村」でもパネル8枚を1台として3台程度が必要になると考えています。 その上で、高橋さんが言われる「電圧降下」について言えばね、パネルの場所が屋根の上か別の場所かの違いだけであって、特別に「電気を無駄に浪費する」というわけではありません。

(2)高橋さんは、群馬県太田市の「パルタウン・城西の杜」を御存知ですか?お詳しいようなので御存知だと思いますが、「城西の杜」はNEDO技術開発機構(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施した集中連系型太陽光発電システム実証研究地に選定されましたが、総分譲戸数688戸のうち、実に約8割の553戸が研究に参加して、各家庭には太陽光発電システムや蓄電池などが設置されてますよね。今回の「太陽光村」も、実はこの「城西の杜」を参考にしてます。まさに、 「城西の杜」で実証されたのと同じように、同じ場所で集中的に戸別に発電を行うわけです。

(3)高橋さんは、「太陽光村」が太陽光パネルを屋根の上に載せるよりも「割高」との御主張ですが、残念ながら、そこは今回の「太陽光村」のコンセプトを御理解いただいていないとしか言えません。新聞のみの情報なので仕方ないのですが、その点、つまりコストの点は内部でも議論した上で、あくまでも「太陽光村」全体のコンセプトや景観上の観点から、行政としては一定の支出をしてでも屋根の上ではなく、別の場所に設置しようとしているわけなんですね。まさにそこが、行政としての判断でもあり、先に紹介した「城西の杜」との違いでもあると考えています。


ただ、ご指摘そのものはありがたい。我々は、頂いたご指摘を前向きに活用していきます。いずれにしても、住民の張り付きと太陽光パネルのエネルギー供給とを2つに分けて、年内に調査をかけます。高橋さん、この調査結果をもとに、具体的には太陽光村基本計画を出していきますので、その際にまた議論しましょう。
「反」太陽光村構想_d0047811_23261920.jpg

(佐賀新聞は再掲です。)
by fromhotelhibiscus | 2011-09-22 23:27
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