人間が住んでいるところで、

市長就任で、最長の出張でしたが、村上春樹ほかの「東京するめクラブ 地球のはぐれ方」という村上作品の中では圧倒的に完成度が低く(フツーの面白ガイド本よりも遥かに質はいいんですが。)、純粋な村上ファンでは村上作品とは思ってもらえない焚書ものの本。しかし、僕はそのユルさが好きで、何回か読んでます。中でも、これまた評判の悪い名古屋編が最高なんですがね。

この本の中の一節に、

人間が住んでいるところで、おもしろくないところなんてないのだ。

というフレーズが出てきます。9年前出版された時、そんなことないよね、東京やバンコクとか面白いところが面白いんだよ!って思ってましたが、実際、自分がそれから、大阪、沖縄、はたまた、生まれ故郷に帰って仕事をさせてもらっていたり、相変わらず旅が好きでいろんなところにひょこひょこ言ってる身からすると、最近、そう思うになってきました。実際、今回の出張でも、何回か、郊外の郊外ってところに行きましたが、みんな、楽しそうな顔をしてる(実際はどうか分かりませんよ。)。

それと、檀一雄の「漂蕩の自由」の中で、

私が歩いているところが、世界の真ん中であり、私が止まれば、そこが、その日の家であり、その日の宿である。

とありますが、もちろん、その域まで達しません。しかし、何となく分かるようになってきました。特に、この2年くらいは、ツイッター、フェイスブックなどSNSの勃興で、どこにいても、どの時間であっても、昔と比べれば驚くべき安価で、一定の情報収集、情報発信ができる。幸せな世の中だと思います。

ま、ともあれ、今回の海外出張で、再会、出会い、協議のほか、いろんな光景、いろんな食べ物に触れることができました。明日以降、ちょっと、まとめて、書きたいと思います。
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by fromhotelhibiscus | 2011-07-28 22:59
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