【書評】県庁おもてなし課

発刊日直後に、ツイッターで古川知事が読んでいたを知り、興味津々。タイトル&ジャケ買い。
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県庁おもてなし課

高知県庁に生まれた新部署「おもてなし課」。若手職員・掛水は、地方振興企画の手始めに、人気作家に観光特使を依頼するが、しかし……!? お役所仕事と民間感覚の狭間で揺れる掛水の奮闘が始まった、

という内容。もともと、僕が仕事しているところが、地方自治体で、本のテーマでもある観光政策は力を入れているので、興味はあるんですが、たいてい、この手の本は面白く無い。しかしね、著者が話題の有川浩。しかも、小説。ちょっと前までは、男かと思っていたら、ひろしじゃなくて、ひろ。女性でした(笑)。あの「フリーター、家を買う」「阪急電車」を書いた人。

さすが、抜群のストーリーテリングと、女性らしい爽やかさと鮮やかさ。細やかな心理描写も見事。有川さんのすごさは、屈折した人間心理をさりげなくさらっと書ききれること。ここびさらっとした感じのところで、有川好きかそうでないか別れるところだけど、僕は好き。

しかも、かなりのうんちくも入っていて、勉強になる。なぜ、日本の観光がダメになったのか、そんな人いないよっていうくらいダメ公務員の登場など、ダメダメ視点で始まっているけど、若手職員の掛水、おもてなし課の成長を丁寧に触れているので後味もいいんですね。

この本は、特に、夢を諦めかけた地方公務員の皆さんにはぜひ読んでほしい、そう思っています。
by fromhotelhibiscus | 2011-06-04 21:01
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