首長パンチ、出版。

書き下ろし、「首長パンチ」が、講談社から明日(7日)発売されます。Amazonは8日(水)から。沢山のご予約ありがとうございます。全国の書店では、遅くても10日(金)までに並ぶ予定とのこと。ぜひ、お手に取ってください。
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竹林さんが、メイキング3を書いてくれました。そのとおりです。同級生の突然の死が執筆の最も大きな原動力となりました。ただし、仲の良い同級生を正面から書くのは、私の心量からは無理。しかし、しぶりに渋った僕も、いろんなことを思いだし、ついに、誰にも相談せずに、「書こう」と決めました。

その際に、竹林さんにお願いしたのは、インタビューのプロとして、医師会、私の周りの人間、池友会、関大関係者、高槻市役所時代の同僚などに、インタビューのお願い。おこした原稿とインタビューそのものをできるだけ早く私に渡して頂くことが条件。それ以外、私の好きなように書く、というのがもう一つの条件。

この条件が即座にクリアーされたので、書き始めました。もし、役人の常套句である「持ち帰ります。」だったら、受けなかったと思います。何事も勢いが大事。

大阪阪急百貨店のカフェで別れてから、その晩は、武雄に帰りましたが、いきなり書き始めました。章立てや骨格やらあったものでは無く、勢いです。どこから書き始めるか。これは、江森浩子さんに相談しましたが、沖縄時代から書いた方がいいだろうと。というわけで、目の前のiMacに書き込み始めました。こんなの簡単さ、と思ったのは、たった10分。

「お兄ちゃんのそばに行ったらダメよ!」
 女性の声で、ふと我に返った。ビーチパラソルの影と、太陽の照り返しで真っ白になっている砂のちょうど境目のあたりで、幼稚園ぐらいの女の子が僕を見ている。目がくりっと大きくて、黒目と白目がはっきりした南国の女の子。


出だしの、この数行だけで半月かかりました。竹林さんから、どれくらいできましたか?と電話がかかって来ても、そうですね、3割、いや4割は書き上げました、とホラを吹いてましたが、だんだん、そういう訳にはいかず、竹林さんに相談。ほんとは、まだ3行くらいなんですが。。。

そう思ってました、と来た。何でもお見通しだ(笑)。で、どうやって書けばいいんですかって聞いたら、とにかく、眼前にある風景や会話、空気、質感、思った通りに書いてください、と。カッコつけたり、ベキ論は止めた方がいいですよ、とのこと。

それで書ければ苦労なんかしないよと思っても、心を入れ替えて書き始めたら、速い。昨日が5ページ書けたら、今日は7ページと。だんだん、速く、濃く、深くなっていく。

竹林さんには悪いけど、膨大なインタビュー集は全く開かず。録音ファイルも聞かず。心の声に導かれるまま、書きました。早朝、深夜。出張の飛行機や新幹線の中、ホテルやカフェ。公務以外の時間で。最後の最後、248ページの4行を書き終えた時の爽快感と達成感は忘れられない。費やした日数は約1か月。最後は飛行機の中だったが、思わず、ガッツポーズ。キャビンアテンダントの後ずさりが忘れられない。

あとは、事実関係の確認、分量の調整、装丁、帯などの調整が進むが、基本的に、これは講談社のお仕事。僕は相談にまわる側だと思っていたら、甘かった。まだまだ、苦行は続いた。
by fromhotelhibiscus | 2010-12-06 22:47
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