永遠のゼロ

生まれて初めて、本を読んで泣きました。今月、東京から帰りの飛行機の中。客室乗務員から気分が悪いのか心配されたのか、「お具合はいかがですか?」。本の帯にありましたが、号泣まではいかないまでも、深く感動。

その名は、永遠の0

「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、1つの謎が浮かんでくるーー。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。
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ストーリー展開も読みやすさも超一流。ラストに連なる布石の打ち方も見事。私事ですが、知覧の特攻平和会館を始め、いろんな施設で、特攻隊諸氏の最後の手紙を拝読する機会がありましたが、「天皇陛下万歳」「靖国で会おう」など個人の生活感があまり感じられないという積年の違和感。本にも出てきますが、極論ともなると、9・11のテロリストと特攻隊は同じだという意見。しかし、この本を読んで、特攻隊の諸氏が何を思い、何を残したかったのか、その輪郭は分かったような気がします。

改めて、合掌。こういう出会いがあるので、本読みをやめられないのです。
by fromhotelhibiscus | 2010-05-19 20:20
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