2011年 08月 16日 ( 1 )

【書評】悪党―小沢一郎に仕えて

元小沢一郎秘書で衆議院議員の石川知裕の書き下ろし。政界にいる人、関係する人はそこそこ興味があるかもしれないけど、まあ、はっきり言って一般ウケはしないかもしれない。

しかし、結構売れているんですよね。日本人って、本当に「小沢一郎」なるものが好き。嫌いなのも、好きの裏返し。それだけ関心があるということ。それと、ここ20年近く、親小沢、反小沢、脱小沢、守旧派、自自公、政界再編、政権交代など、すべて、この人が中心。長期的な話題のなり方としては、往時の竹下登はおろか、田中角栄をもしのぐ。

その小沢一郎を、元秘書が描き出すというもの。普通は秘書は、親分のことは書きません。僕も、某大物代議士の一時期鞄持ちしてましたが、絶対に、親分のことは書きません。秘書は文字どおり、「秘」書です。

しかし、僕は親近感を持った。というのも、あれだけのカリスマの前でよく醒めた目線で書いているし、「当事者」しか知り得ないことも割と記してある。「悪党とキン肉マン」論も面白い。

ま、確かに、僕も「首長パンチ」で、客観性が足りない、一方的だとか、散々言われたけど、それは仕方が無い。石川さんにたとえれば、政策は小沢べったり、書くべきところを書いていないじゃないか、羽毛田発言に対する思いは論理矛盾じゃないの、とか僕が見てもいろいろある。

しかし、ここから先、大事なことは、評論家や学者、そして、政治家の皆さんが、「悪党」をベースに、参考に、また、いろいろ書く、あるいは発信することだと思う。


18年前、国会議事堂の自民党幹事長室の前を通っていたときに、小沢一郎さんがひょっこり出てきた。ぶつかりそうになった、小沢さんと僕。思わず、すみませんと大声を出した僕に、にこやかに、「いや、僕が悪いんだ。どの省庁にいるの? 頑張って。」と声をかけられましたが、目は笑ってませんでした。

閑話休題。僕は、この本を好意的に読んだけど、それでも、政治家小沢一郎は全く評価していない。国連軍とか、第7艦隊さえあればいいとか、政策の幹事長室一元化とか、国会答弁に官僚を排除することなど、デタラメ。確かに、選挙は強いかもしれない(僕でもその手法は参考にする)かもしれないけど、チャーチルなどに見られた骨太の国家観、哲学も、小沢一郎の会見では感じられない。「日本改造計画」は、確かに名著なんだけど、その後の小沢さん、発言が変わっている。これは、石川さんが言うように、「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」の次元とは違う。原口さんも同じだから、民主党は大体こんなもんかもしれないけど、僕は、石川さんや、岡山の高井、福岡の稲富各代議士、大久保参議院議員のようなしがらみのない世代にもっと活躍してほしい。この層は間違いなく、自民党よりも上。僕は既存政党でなく、人で応援する。実際、市民病院の民間移譲を進めているときは、民主党の国会議員のほうが応援していた(佐賀県内の人は違いますよ。)。

いろんなことを感じた本でした。読みやすいし、ハラハラドキドキなので、おすすめです。
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by fromhotelhibiscus | 2011-08-16 22:00