市民病院移譲先の変更について

今朝、佐賀新聞にこんな記事が載りました

私たち執行部の立場は、そもそも、

市民病院自体が巨額な財政赤字を抱え、数年後には破産する可能性が極めて大きかったこと。市民病院の破綻が引き金となり、武雄市全体の財政が回らなくなることから、しっかりした病院にお任せすることが、地域医療の維持向上につながる、

と一貫して唱えてきました。昨年末は思いも寄らなかったリコールを伴う選挙を経てまで、民間移譲、これしか無い、と訴え、一定の民意を得ることができました。医師会におかれては、早速、民間移譲については理解を示していただきました


おかげ様で、5月は黒字になったようです。今日、市民病院を視察しましたが、まだまだ課題はあります。しかし、ここまで来れたのも、民間移譲を引き受けて頂いた財団法人地友会、そして、市民病院のスタッフの皆さんのおかげです。

もし、この問題を先送りしていれば、一時の銚子市のように大混乱を起こしていた可能性が大です。被害は、患者さん、家族の皆さんに及ぶことになるのです。この被害の模様(家族が離散、治療や看病のため住み慣れた場所を離れる)はニュースで連日のように流れていましたよね。


我々が、市民の皆さんとともに、地域医療の維持向上に向けて様々な政策を出してまいりましたが、そのプロセスとは別に、医療法の改正により、社会医療法人の創設という思ってもいなかったことが。

一言で言えば、この社会医療法人は、救急救命医療という公的医療を果たさなくてはいけない、また、そのメリットとして、固定資産税や事業税を払わなくてもいい、というもの。

また、この社会医療法人は、同一県内でまとまることが条件なのです。


救急救命医療を中心とする池友会が、その社会的使命をさらに高揚すべく、社会医療法人になりたいという申請を行う、とするならば、2つ問題点が出てきます。

①池友会は既に福岡県内の病院を運営しているので、県をまたぐことになる、
②池友会が社会医療法人になった場合は、武雄市に入る固定資産税等はゼロになる、

困りますよね。年間数千万円の税収が入らなくなる。私は、この民間病院移譲は、一面で企業誘致(税収増)と訴えてきたので、私自身の公約が問われることになる。


①、②の認識は池友会も全く同じ。そこで、この問題を回避するために、同じグループの中の社団法人である巨樹の会が引き受けることになったわけです。

しかも、巨樹の会をバックアップするために、池友会が共同して責任を負う、スキームにしました。
市民病院移譲先の変更について_d0047811_23381621.jpg


図式化すると、

(A)→(A+A’)になったわけですね。これが、(A)→(Z)になったら大問題。もう一度、選考委員会を開く必要があったと思います(Aは池友会、A’は巨樹の会、Zは他の法人、という定義。)。

しかし、これは池友会内の組織編成の問題、また、池友会の企業統治(ガバナンス)の問題なので、議決の変更のみで十分と判断し、議会にその判断の正当性を求めることにしました。

なお、今日は市内200人前後の方々と接しましたが、不安や疑問に思われている方は、ゼロでした。


いずれにしても、この案件は、議案として、正式に議会に上程しました。後は、本会議での議案審議、総務常任委員会での現実性のある活発な議論を期待します。
by fromhotelhibiscus | 2009-06-09 23:40
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