【書評】その女アレックス

「週刊文春2014年ミステリーベスト10」 「ミステリが読みたい! 」「IN POCKET文庫翻訳ミステリー」などで1位。

その女アレックス(文春文庫)


おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受賞作。
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正直言って筋自体は驚天動地級のものではないが、この小説が一定の評価を受けているのは、推理小説の流行りである点をきちんと抑えていること。

一つに、この小説だけでも3つの物語が楽しめる。もう一つは、東野圭吾の傑作「秘密」がそうであるように、一つの結末に対して読者に解釈が委ねられること。それと、登場人物がカラフルなこと。大昔の推理小説は、金持ちとそうでない人たちの対立軸にヒントが隠されていることが多かったんだけど、今は、人種も職業もファッションも多様性にあふれていて、しかも、そこに強烈なヒントが実はある、というもの。
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ともあれ、まともな推理小説を読みたいと思っている、また、長い移動時間をハラハラしながら過ごしたい、そして、最後は納得できない納得をしたい人たちにお薦めです。

by fromhotelhibiscus | 2015-01-25 21:10
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