【書評】池上彰の教養のススメ 東京工業大学リベラルアーツセンター篇


これは名著。池上彰さんの本をいろいろ読んできましたが、他を圧してこれがずば抜けている。東工大の変わりに変わった、それでいて、とっても真摯で真っ当な教養人の良さ、言い足りないことを見事ひき出している。その中で、池上さんは池上さんで柔らかいながら、強烈に自己主張。

ハラハラドキドキしながら読んだ教養の本。普通は対談本だと、この人だけは面白い、とかなるんだけど、この本は全員が面白かったなぁ。かび臭い教養とは無縁の世界。スリリングかつセクシー。だって、哲学者が公共事業関係の市民集会をどうやって仕切るかを始め、哲学の観点から公共事業を見直すなんて奇想天外、面白い。

最近、教養がもてはやされているけど、僕は嬉しい。大学時代から、社会に直接役に立たないムダなことばかりやってきて、今でもそうなんだけど、それが、人生を豊かにし、結果的に仕事にも相当役に立っている。

最近、問われるたびに、「ムダな経験は何一つ無い。」と明言していますが、それを明示的にしかも分かりやすく実証してくれた本としても嬉しい。

僕の本や他の本は脇に置いておいて、まず、読んでください。強烈にお薦めです。
【書評】池上彰の教養のススメ 東京工業大学リベラルアーツセンター篇_d0047811_10332774.jpg

by fromhotelhibiscus | 2014-05-16 21:21
<< 蒸発!図書館になりました 【書評】沸騰図書館 by 藤原和博 >>