【書評】沸騰図書館 by 藤原和博

沸騰図書館。すみません、Amazonが事実上の在庫切れでご迷惑かけています。もうすぐ補充されると思います。予約 をして頂くか、お近くの書店に足を運んでください。

5月8日(木)に発売開始。さまざまな方が書評(レビュー)を寄せて頂いてますが、今日はあの藤原和博さん(武雄市特別顧問)から頂きました。これぞ!書評と思わせる中身。彼の人にはまだまだ遠く及ばないというのを実感。ご本人の許可を頂きましたので、ご覧ください。藤原さん、ありがとうございます。
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樋渡さま 藤原です。

 『沸騰!図書館』は素晴らしい本ですね。
 ありがとうございました!

 非常に赤裸々な一部の不思議な議員や外部の評論家、誰のために働いているか、おそらく本人も分からなくなっちゃってる図書館関係者たちと戦う姿が描かれていて痛快でした。首長パンチに通じるものがありますね。

 うーん、「結婚なんか公募しませんよね。僕なんか、妻にお願いにお願いを重ねましたよ」・・・いいねえ。
 160ページ、名指しで「この議員はいつもこの調子」というのも痛快!

 163ページ、失われてしまったものの大きさに涙が溢れて止まりませんでした・・・というヘンな人が名指しなのも。
 「児童図書サービスが破壊された!」という言説は、あの教育評論家の「夜スペは公教育を崩壊させる!」を彷彿とさせますね。2016年のキッズライブラリーの増設で目にもの見せてやってください。

 リニューアルしてから1年間で破損による買い取り件数は10件程度。そのうちの2件はほかでもない僕だ。
 最高の詩的表現!! 反証としても、みごとです。

 「荒川区立図書館では遅い時間はガラガラでしたよ。」発言を名指しで論破もいい。

 「起きてください!」から「ご気分がすぐれないのですか?」への変化も、ここで起こっている「化学変化」の一コマとして、実に具体的で分かりやすい。

 話が出たのは足が悪いとかそういうことではなく、単に面倒、というだけ。それは、雑誌をたくさん揃えろ、バックナンバーも保管しておけというのと同じ。
 こういうのは、図書館開設を官僚に任せず、リーダーとして、プレイングマネジャーとして、自分で仕切ったものだけがわかるディテールです。政治家は一般にこれをやらないから「何はやらないのか?」が不明快になって予算が膨大に膨れ上がるのです。

 極めつけは「街の中に図書館を創ったつもりが、とんだ見込み違いだった。図書館の中に街がいくつもできているじゃないか」。
 これは、この本の底流に流れる隠された大テーマですね。
 私が和田中でやった「地域本部」による地域社会の再編も小さな図書室を発信源にしていましたが、「学校を開くではなく、学校を核に地域社会を再生する」ものでした。

 コミュニティというのは、住所地番のことじゃあないんですね。
 そこに渦巻く「コミュニケーションの束」のことをいうんです。
 だから、志を核にコミュニケーションの渦を創れた図書館は、武雄志立(しりつ)図書館になれる。

 最後の経済効果20億円を含めて、数字によるヘンな意見への反証は、お見事でした。
 あとは、IT系などの会社があのまわりに引っ越してくるといいですね。


by fromhotelhibiscus | 2014-05-15 23:37
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