【書評】GILT(ギルト)――ITとファッションで世界を変える私たちの起業ストーリー

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GILT(ギルト)――ITとファッションで世界を変える私たちの起業ストーリー

最高の仲間がいればリスクなんて怖くない。超一流ブランドを口説き、3年半でオンラインセール「ギルト」を10億ドル企業に育てた挑戦の日々。

この本で初めて知ったGILT.ブランド品が最大70%OFFの招待制のオンライン・ブランドショップ。

この本を読んだ直後に、サイトに飛び込んでいろいろ見ましたが、これは凄い。普通、ブランド品とセールってあんまり広がらないし、ましてや、オンラインだと今まで全然ダメ。ブランド品にあんまり興味の無い僕が釘付けになるくらい。デザイン、呼び寄せ方など舌を巻く。

このサイト、GILTが立ち上がるまでを克明に記した本が出た。共同創業者の2人が、起業にいたる経緯、起業してからを分かりやすく語る。読みながら映画の一シーン、一シーンを見ている気がしてくるのは、翻訳がかなりこなれているからだと思うし、それ以上に、著者が徹底的に楽しんでいるのが伝わってくるからだろう。特に、オンラインがスタートした「2007年、11月13日、ニューヨーク(16ページ)」の記述は秀逸。23ページまでのハラハラドキドキ感が、それ以降の割と地に足の着いた経験論にしっかりつながれている。だから、サクセスストーリーとしても、起業物語としても、華やかなファッション界の物語として、そして、僕は、経営論として読んだが、とても、腑に落ちる。成功するには理由があるよね。

解説の孫泰蔵さんが語るように、こういう起業であっても、日々の仕事であっても、チームの大切さが前面に出ている。ただ、僕はそれ以上に、スピードの重要性。いかに、チャンスを掴んで、短期間で形にするか、また、短期間に修正していくか。僕は、知らず知らずのうちに、武雄市図書館はこのチーム&スピードというスタンスでやってきた。だからこそ、成功を収めつつあるんだろうね。

僕が尊敬する経営者の一人に、前野智純さんという人がいる。FB良品のシンガポール進出を一緒にやっていますが、彼は、「スピードは誠意だ。」と。全く同感。このスピード感は、今の日本人にはなかなかないものであるけど、だからこそ、とっても参考になる。お薦めです。
by fromhotelhibiscus | 2013-05-02 23:43
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